今回ご紹介するのはTrading ViewのPineスクリプト乖離率のインジケーターを作るで解説した乖離率インジケーターに、ボリンジャーバンドを組み合わせた改良インジケーターについてです。Trading View独自のプログラム言語であるPineスクリプトを使用してオリジナルのインジケーターを作成します。プログラミングの知識が全くない人でも記事内のコードをコピペすることで簡単に導入できますので是非試してみてください。
乖離率ボリンジャーバンドのインジケーターの特徴
- 「移動平均線と現在の値との乖離率を表すインジケーター」と「乖離率から算出したボリンジャーバンド」の2つのインジケーターから構成されます。
- インジケーターの線は以下を表します。
- 赤線:移動平均線と現在値との乖離率
- 緑線(中心):乖離率の単純移動平均線
- 緑線(上下):色が薄い内側の緑線は1σ、色が濃い外側の緑線は2σ
- 乖離率算出に使用する移動平均線は以下から選択可能です(デフォルトはSMA)。
- SMA(単純移動平均線)
- EMA(指数移動平均線)
- DEMA(2重指数移動平均線)
- TEMA(三重指数移動平均線)
- WMA(加重移動平均線)
- VWMA(出来高加重移動平均線)
- RMA(修正移動平均線)
- HMA(ハル移動平均線)
- 移動平均の算出に使用する期間は任意の値に変更可能です(デフォルトは25)。
- 移動平均の算出に使用する値は以下から選択可能です(デフォルトは終値)。
- 終値
- 始値
- 高値
- 安値
- 高値安値平均
- 高値安値終値平均
- 始値高値安値終値平均
- 乖離率算出に使用する値も上記と同様に選択可能です(デフォルトは終値)。
- ボリンジャーバンドに使用する期間は任意の値に変更可能です(デフォルトは25)。
このインジケーターを使用したトレード戦略
ボリンジャーバンドの一般的な使われ方は2σを目安とした順張り、あるいは逆張りですが相場は正規分布ではないので結局のところボリンジャーバンド以外のインジケーターや値動き自体も考慮して総合的に判断しなければなりません。
一方で、移動平均乖離率は標準偏差に対して正規分布をとるため、乖離率とボリンジャーバンドの組み合わせは最適だといえます。
このインジケーターを使用した戦略としては以下が考えられます。
・押し目買い、戻り売りの目安として使用
・現在の価格が買われすぎ、売られすぎを判断する目安として使用
・暴落、暴騰時の反発目安として使用
重要なことはこのインジケーターが何を意味しているのかを理解して使用することです。
Pineスクリプトの追加コード
当サイトに掲載のコードは個人的に使用する場合には差し支えありませんが、販売や二次配布等でのご使用は禁止いたします。この記事を参考にして頂ける場合は、必ず免責事項をご確認ください。
以下が今回追加したPineスクリプトのコードです。
Pineスクリプト乖離率のインジケーターを作るで作成したコードに以下コードを追加してご使用ください。
//インプット設定-----------------------------------------------
len_bb = input(25,title="乖離率BB期間")
//ボリンジャーバンド計算
dev = stdev(deviation_rate, len_bb)
base_line = sma(deviation_rate, len_bb)
sigma_p1 = base_line + dev
sigma_p2 = base_line + dev * 2
sigma_m1 = base_line - dev
sigma_m2 = base_line - dev * 2
//プロット用
plot(base_line, color=color.green)
plot(sigma_p1, color=color.green, transp=60)
plot(sigma_p2, color=color.green)
plot(sigma_m1, color=color.green, transp=60)
plot(sigma_m2, color=color.green)
乖離率ボリンジャーバンドインジケーターの使い方
Pineスクリプトを実行するとチャート下に乖離率ボリンジャーバンドを示すチャートが表示されます。
インジケーターの設定を変更するには設定をクリックします。
必要に応じて以下パラメーターを変更します。
- MA期間:移動平均算出に使用する期間(ローソク足の数)
- 乖離率BB期間:乖離率算出に使用する期間
- ソース:移動平均算出に使用する値
- 乖離率ソース:乖離率算出に使用する値
- 移動平均種類:移動平均の種類を変更
設定画面のスタイルを選択するとインジケーターの色やスタイルを変更できます。
以上がインジケーターの使い方になります。
作成したインジケーターにアラート機能を追加したい!そんな時は以下の記事が参考になります。
Trading Viewのインジケーターにアラート機能を追加するPineスクリプト⇒
Pineスクリプト入門の記事では、プログラミング初心者でも理解できるように一つづつ丁寧に解説しています。Pineスクリプトを触ったことがない方でもPineスクリプト入門#1から順にみていただければ、今回作成したインジケーターやバックテストのコードも作成することができます。興味のある方は是非、他の記事もご覧ください。
Trading Viewのアカウントを作成する
Trading Viewのアカウントをお持ちでない方はこの機会に無料アカウントを取得してみてはいかがでしょうか。
Trading View
トレーディングビューはPineスクリプトでバックテストを行う以外にも、自分のオリジナルインジケーターを作成したり、世界中のトレーダーが作成したオリジナルのインジケーターを使うことも可能です。
FX、株、ETF、コモディティなど国内外問わず様々な銘柄に対応しています。
コメント