全世界株式インデックスファンドはいろいろな商品があり、それぞれ細かな違いがあります。
すでに全世界株式インデックスファンドに投資をしている方もこれから投資を考えている方も商品を選択した根拠があれば、自信をもって投資を続けることができます。
今回はそんな、全世界株式インデックスファンドの違いをチェックしてみましょう。私がおすすめする投資信託もあわせて紹介します。
全世界株式をおススメする理由
なぜ全世界株式インデックスファンドをおススメするのかというと、この投資信託一本で世界中の株式に投資したことと同様の成果が期待できるからです。
世界経済のGDPは年3~4%で成長しています(1961年~2021年)。つまり、全世界株式インデックスファンドに投資すれば長期的にみて利益を得られる可能性が高いというわけです。
左グラフは1961年~2021年の世界の一人当たりGDP、企業時価総額の推移です。世界経済全体でみるときれいな右肩あがりで成長していることがわかります。
右グラフは同期間のGDP成長率をあらわしています。リーマンショック(2009年)やコロナショック(2020年)などの年は特異的に成長が鈍化していますが、平均すると年3~4%で世界経済が成長していることがわかります。
このように全世界株式インデックスファンドに投資をすれば、これら世界経済の成長率を享受できることでしょう。
全世界株式インデックスの価格はどうやって決まるのか
そもそも投資信託の価格はどのように決まるかご存じですか? 全世界株式インデックスファンドのような指数に連動することを目指す投資信託は、その目標とする指数を基準(ベンチマーク)として連動するように運用し、価格を決定します。
例えば、全世界株式インデックスファンドで人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」のベンチマーク対象としているベンチマークは「FTSE」「MCSI ACWI」の2つです。
FTSEとMSCIはどちらを選んでも大差はない
この2つの指数は同じ全世界株式インデックスですが、構成する国の比率や組入れ銘柄数などが少し違います。
2つの指標の最も異なる点は小型株を対象としているか否かです。
FTSEは小型株も対象としているため、カバー率がMCSI ACWIよりも高く、組み入れ銘柄数も多くなっています。また、直近の年率リターンもFTSEの方が高くなっています。
とはいえ、2つの指標の値動きにはそれほど大きな差はなく、どちらを採用している投資信託かを気にするよりも、投資信託自信がどのような成績を上げているかに着目して選択するほうがよいでしょう。
ベンチマークには「FTSE」「MCSI ACWI」に加えて、日本を含まない「MCSI ACWI(除く日本)」もあります。
一つの投資信託で日本含む世界中の株式を網羅したい方は、日本を含む投資信託 日本株と海外株を分けて独自のポートフォリオを作りたい方は日本株を含まない投資信託を選択するといいでしょう。
人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などの日本株を含むファンドも日本株の比率が5~6%と少ないため、それほど大きな影響はなく気軽に選択しても良いと思います。個人的には長期で投資することを考えると全世界を網羅できる「日本株を含むファンド」がおすすめです。
全世界株式の投資信託を比較
以上をふまえて、全世界株式インデックスファンドのうち、どれを選べばよいか比較してみます。主要の全世界株式インデックスファンドを一覧にしたものが次の表になります。
赤字の箇所は他のファンドと比べて優れているポイントです。長期投資の場合は信託報酬が今後の収益に大きく影響してくるので、信託報酬の低さも重要な選択基準になります。
特に0.11%と低い「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」「Smart-I Select 全世界株式インデックス(除く日本)」は注目すべきファンドです。
中でも「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は純資産額がこれら10ファンドの中でも突出して高く、人気があることがわかります。人気の理由は信託報酬の低さに加えて年率リターンの高さにあると考えられます。
年率リターンに着目すると「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の方がやや高くなっていますが、 直近3年間のリターン値であるため長期投資を前提とする場合はそこまで気にする差ではないと思います。
結論:投資信託はこの3つから選べば大丈夫
以上のことから、全世界株式インデックスファンドのベンチマークは「FTSE」「MCSI ACWI」「MCSI ACWI(除く日本)」がありますが、指数の値動きとしては大差なくどのベンチマークを採用しているかはそこまで気にする必要はありません。
したがって、信託報酬の低さ、運用実績から以下3つのファンドから選択することをおすすめします。
- 「FTSE」 ⇒SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- 「MCSI ACWI」 ⇒eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 「MCSI ACWI(除く日本)」 ⇒eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
これら3つの投資信託はSBI証券、松井証券、楽天証券で購入できます。
個人的にはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)がおすすめです。eMAXIS Slimシリーズは「受益者還元信託報酬率」受益者還元型信託報酬は、ファンドの純資産総額が増えるにつれ信託報酬が下がっていく仕組みです。そのため人気のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に限らずeMAXIS Slimシリーズの信託報酬は今よりも低くなり、 パフォーマンスの向上が見込めるからです。
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