最近、書店にも関連本が並び、よく耳にするようになった「FIRE」。
なんとなく聞いたことあって、興味はあるけどよくわからない人も多いと思います。
今回は、FIREするのにいくら必要なの?資産を貯めるのにはどうしたらいいの?といったFIREの基本をわかりやすくご紹介します。
FIREのとは?経済的自立と早期リタイアの両立
FIREは「Financial Independence Retire Early」の頭文字をつなげた造語で、日本語で「経済的自立と早期退職」という意味です。
もともとは欧米のミレニアム世代で多く支持をあつめた新しい生活様式で、近年では日本の20代~30代の若い世代にも「経済的自立と早期リタイア」を目指す「FIRE」の人気が高まっています。
ちなみにFIREには目指すライフスタイルによって4つに分類することができます。
- Fat FIRE:資産運用のみで贅沢な生活がおくれる状態のFIRE
- Lean FIRE:資産運用のみで必要最低限の生活費をまかないながら生活するFIRE
- Barista FIRE:資産運用と適度に働きながら得る収入で生活費をまかなうFIRE
- Coast FIRE:資産運用のみで生活できるが仕事も続けるFIRE
目指すライフスタイルが違うということはFIREに必要な資産も変わります。
自分の目指すFIREを明確にして計画的に準備を進めましょう。
FIREするメリット
- すべての時間を自由に使える
- 住む場所を自由に選べる
- 金融リテラシーが身につく
FIREのメリットはなんといっても「時間をすべて自由に使える」これにつきます。
自分の好きな時に、自分の好きなことを仕事にできる。働かなくてもいい。
人生を充実させるため、自分にとって豊かだと思えることを自由に選択できます。
FIREを目指している人達のおおくは自由な人生を謳歌することを夢に頑張っていると思います。
住む場所が制限されないことも魅力的です。リモートワークが普及しつつあるありますが、会社員をしていると生活圏が限定されてしまいます。
しかし、FIRE達成後は住む場所を自由に選べます。
田舎でのんびり暮らすもよし、物価や税金の安い海外に移住するもよし、自分の好きな場所に住むことができます。
FIREを目指す人たちは自然と金融リテラシーが身につくこともメリットです。
FIREを達成、維持するには資産運用が必要不可欠です。そうなると経済ニュース、株価などに敏感になり積極的に情報を取りに行く癖が身につきます。
そしてどうやれば効率よく資産を増やせるのか、安定的に資産運用するにはどうしたらよいか、など試行錯誤があなたの金融リテラシーを高めます。
FIREするデメリット
- セルフマネジメントが必要
- 破綻のリスクがある
- 4%ルールは簡単ではない
FIREの最大のメリットだった「時間を自由に使える」は相反してデメリットになるかもしれません。
時間を自由に使えるということは、言い換えれば自分で時間をどのように使うかすべて決めなければなりません。
FIREを目指している人は会社員の方がほとんどです。会社員は決まった時間に出社し、仕事をして家に帰える、といった日常を送っています。学生時代も同じようにほとんど決まった日常を送っていたでしょう。
つまり、ほとんどの人たちは20年近く決められた日常を過ごしてきたわけです。
自由な時間を有意義な時間にするには、セルフマネジメントが必要になります。そして、会社から解放される反面、社会とのつながりが希薄になります。
会社を早くやめるためにFIREを目指している人は、いまからFIRE達成後にどんな生活を送りたいか、FIRE後に何をしたいか、目標、目的を考えることをおすすめします。
また、FIRE後は破綻のリスクがあることも知らなければなりません。
結婚、出産、家を買うなどのライフイベントや思わぬ事故、病気による大きな出費を伴うこともあります。加えて、増税や金利の変動など社会情勢によって資産に影響を与える可能性もあります。
FIREの基本4%ルールは簡単ではないことも、今のうちに理解しましょう。
4%ルールは簡単にいうと資産を年利4%で運用すると元本を減らさずに生活できるというものです。
高配当利回りの株を長期で運用するのが一般的ですが、配当はつねに一定ではなく低下する可能性もあります。また、税金が上がればその分利回りも低下します。利回り低下は元本を減らすことになりかねません。
投資は未来を予測することは不可能で過去の傾向から「きっとこうなるだろう」という予測の元に取引します。今は4%ルールも通用しますが、この先も4%で運用すれば大丈夫といった保証はありません。
FIREを達成するには資産はいくら必要なのか?
結論からいうと「支出の25年分の資産」が必要になります。
なぜ、支出25年分の資産が必要かというと、この資産を4%ルールで運用すれば資産を切り崩すことなく生活ができる金額だからです。
それでは簡単に計算方法を解説します。
まずFIREに必要な資産を計算する
毎月の以下項目の出費を把握しましょう。
- 食費
- 住居費
- 光熱、水道費
- 交通、通信費
- 家具、家事用品
- 衣服
- 保険医療
- 教育費
- 趣味、娯楽
ちなみに各家庭の平均支出額の内訳(2020年)は下の表になります。
二人以上の世帯 | 単身世帯 | |
消費支出 | 277,926 | 150,506 |
食費 | 80,198 | 41,373 |
住居費 | 17,374 | 20,950 |
光熱、水道費 | 21,836 | 11,687 |
交通、通信費 | 39,972 | 18,310 |
家具、家事用品 | 12,708 | 5,393 |
衣類 | 9,175 | 4,910 |
保険医療費 | 14,296 | 7,129 |
教育費 | 10,293 | 2 |
趣味、娯楽 | 24,987 | 15,867 |
その他 | 47,088 | 24,888 |
例えば、二人以上の世帯の月平均支出を30万とした場合
30万 × 12カ月 = 360万 ・・・年間支出
360万 × 25年間 = 9000万 ・・・25年分の支出額
月平均支出額が30万の世帯は9,000万円でFIREできることになります。
ご自身の生活費からFIREするのにいくら必要か計算してみてください。
資産を早く貯めるために生活費を見直して支出を減らす
毎月の生活費をみなおして支出を減らすことで、FIREに必要な資産額を少なくすることができます。
特にこれらの項目は契約会社やプランを変えるだけで効果があるのでおすすめです。
- 保険料
- 通信費(携帯代、インターネット代)
- 光熱費
生命保険文化センターの調査結果では、生命保険の年間保険料が二人以上の世帯で平均38.2万円の支払いがあります。月額にすると3.2万円で決して安くありません。
無料で相談できる保険見直しラボや保険コネクトなどのサービスを使って保険料の見直しをしてみましょう。
FIREを早期達成するためには収入を増やす
目標の資産をはやく貯めるには、支出を減らすだけでなく収入を増やすことも重要です。
会社員の方は以下の方法がおすすめです。
- 出世または転職して会社員の収入を増やす
- 副業を始める(ブログ、You Tubeなど)
- 投資を始める(不動産、株など)
会社員の方はまず仕事での収入を増やすことに注力しましょう。仕事の頑張り=FIREの時期を早めるに直結します。
「うちの会社は給料が低くて。。」「出世なんてできないよ。。」という人は前向きに転職を考えましょう。一つの会社を定年まで勤めあげるという時代はもう終わりです。そもそもFIREを目指しているのだから条件が悪いと感じている会社にいる必要はありません。FIREを早期に達成するには行動が必要です。
副業を始めることもおすすめです。会社員ならブログやYou Tubeなど初期投資が少なく、自宅でできるものがよいでしょう。
「うちの会社は副業禁止なんだよね。。」なんて人も安心してください。そう簡単に収益化できるほど甘くありません。ブログで月1万の収益を得るのに1年かかることなんて珍しくないです。しかし、成功したときの収益は会社員の月収をこえることも十分にあります。まずは初めてみることが大切です。
FIREを目指しているひとは、すでに投資をしている人が多いと思いますが、まだ始めていない方は早急に投資を始めてください。投資の最大のメリットは複利効果です。複利効果の恩恵は投資をはやくはじめるほど受けられます。
資産運用はFIRE達成後も必須なので、いまのうちから少しずつ投資の勉強を始めましょう。
4%ルールで資産を運用するには
FIRE達成後は資産運用で年利4%の収益を得ることができれば、元本を減らさずに生活できます。
年利4%を達成するために、まずはつみたてNISA、米国インデックス投資を始めましょう。
つみたてNISAを始める
つみたてNISAは投資信託で得られる利益が非課税になる投資口座です。
決められた投資信託の中から、毎年40万円を上限として購入が可能です。
つみたてNISAで購入した投資信託で得られた利益は、購入から最大20年間非課税対象になります。
現時点ではつみたてNISAの制度は2037年までとされていますので、できるだけ早く始めることをおすすめします。
つみたてNISAの口座は松井証券、楽天証券、 SBI証券 で開設することができます。
米国インデックス投資を始める
FIREを目的として長期投資を始めるなら、米国インデックス投資がおすすめです。
インデックスとは、S&Pやダウ・ジョーンズ、NASDAQなどの株式市場の指数のことです。これらは指数なので直接売買することはできませんので、主にETF(上場投資信託)を使います。
ETFとは個別株の詰め合わせパックのようなもので指数に連動する値動きの商品もあるため、間接的に指数を売買できます。
なぜ日本ではなく米国なのかというと、分配利回りが高いETFが多いこと、株価が継続的に成長しているので値上がりによる利益が見込めるからです。
米国ETFは 松井証券、楽天証券、SBI証券で購入することができます。
また、証券口座はつみたてNISA用、短期投資用、長期投資用と投資の目的によって使い分けたほうが管理しやすく、複数口座持つほうが便利です。
投資のチャート分析におすすめなサイト、アプリは Trading View です。
Trading Viewは米国株、日本株以外にも金や原油などのコモディティ、仮想通貨など様々なチャートを表示することができます。無料プランでも十分使えるので試しに使ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
最後にFIREについて重要なポイントをおさらいしましょう。
- FIREのメリット、デメリットを理解する
- FIREに必要な資産を計算する
- 早く資産を貯めるために支出を減らし、収入を増やす
FIREを達成するには数年単位の時間が必要です。
計画性をもって地道にコツコツと継続することがFIREの近道です。
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